新居で迎える朝。一番大きい窓のシャッターを下ろしているが、十分明るいから何かもうこのままでもいいかという気がする。導線に慣れず行ったり来たりするが、狭い家だからなんのことはない。
新しい駅前にも宅配ボックスがあり、売れた雑誌を入れてから電車に乗る。車内は空いていて快適だ。つい席に座ってしまう。
職場に着いて、冷蔵庫に置かせてもらっている物で朝食をとる。もう少し後ろめたく感じるかと思ったが、全然平気で快適だ。思えば間借りのような生活ばかりしてきた成果か。
昼は昼で、近くのスーパーに行き、昼食および夕食を買う。夜の分は冷蔵庫に入れておき抜かりない。
仕事はちゃくちゃくと進め、再びちょっと暇ウィークに入っている。夜に荷物が届くから気が気でなく、ほとんど定時で事務所を後にする。
洗剤などを買って家につくと、ちょうど配達の人がインターフォンの前に立っていた。ギリギリセーフである。
届いたのはネット用のモデム。自分で設置にしたほうが安かったからそうしたが、作業自体なんら複雑なことはない、ただの配線だった。説明が丁寧すぎて、何かやり忘れているのではと惑わされたぐらい。強いて言えばケーブルがうっとおしいぐらい。繋がれた線に苦しむたび、エヴァの電源を思い出してしまう。未来になっても開放されない私たち。
ネットもテレビも開通して一安心した頃に、電子レンジか届く。置く場所がない電化製品の存在感がすごい。
テレビの後ろに、東京オリンピックグッズのダルマを置いた。隙間から、すごくこちらを見ている。