7時前に起きると、母は既に出かけていた。東京武道館の試合に補欠で随行せねばならないのだという。昨日より雨が強く降り、ご苦労さまなことである。
一方こちらは最後のダンボールを閉めた。
身構えていると、8時前に家の前にトラックが停まった。若いお兄さんが2人降りてきて、速やかに作業に入る。
地獄の重さで途方に暮れた、雑誌入りのダンボールを2個重ねて階段を降りていく様を見て、この人たちは本当に同じ生物だろうかと恐れ入った。
むしろ、ハンガーボックスから洋服があふれる。これは、転居先のクローゼットに入り切らんのではと暗澹とする。
雨のためお言葉に甘え、父の車で現地へ行くと既にトラックが着いている。慌てて鍵を開けるがこの間もずっと雨が降っている。運び込まれた家具が微妙に濡れており、そのままクローゼットにぶち込まれたからとても心配だ。雨は不運だが、過去に利用した業者の人々より全般的に雑だ。安さ優先にしたからしょうがないけど。
嵐のように人々が去った後、粛々と開封を進める。
懸念のとおり、洋服が入り切らないが、時々呆然を挟みながら何となく終わりが見えたのが、15時前であった。
腹が減り心持ちよろよろしながら駅まで歩く。遠いかもと懸念していたが、信号がなく快適で嬉しい。駅前の商業施設に入ると、キャンドゥに何十メートルという長蛇の列ができていて、ドン引きする。こんなにたくさんの人が、一体どこに住んでいるのか。
洗濯機の搬入を見届け、一度実家に帰り夕食を恵んでもらう。明日以降の食事事情が読めないので、もりもりに食べておく。あと、普通に労働に疲れた。