仮面福祉会

できることを切り売りしています

これが療養

ばつん、と電気をつけられ、眩しくて起きる朝。普通に生活してたら、大人にこんな強制的な朝晩は中々ないぞ。

そして、電気をつけられたからと言って、朝は一向に始まらない。1時間程経つと採血の人が現れ、血を取られた。

またぼんやりしていると、点滴がつながる針から、液体が溢れてきており焦る。逆の腕に差し替えてもらうが、不自由だ。

 

8時半を過ぎたので、上司に今日のタスクをLINEで送る。職場からの電話を待っていると、ちょうど医師が来たタイミングで着信があり、タイミングよ!となる。

医師からようやく入院計画を聞かされた。内視鏡検査をやるとばかり思い込んでいたが、できれば避けたいのう、と言った意思を組まれたかたちで、昼食から再開しましょうかと言われる。本当か。それはそれで不安だが、貧血が良くなればいいんじゃないかという結論に合意し、だったら最速で退院させてくれと頼む。月の中旬はタスクが満載なのだ。

 

医師がいなくなった後、電話で職場の後輩を操作して作業をしてもらう。パソコン画面が見えないのでとても難しいし、本当にできたのか、心配であるが信じるしかない。

とりあえずの仕事を終え、見上げると点滴に鉄剤が増えている。

 

14時頃、遅くなりましたと昼食が出された。これが噂の病院食か!とちょっと嬉しい。主食は粥だが、その他は普通の食事で意外だ。味も濃いぐらいで、断食後だからそう感じるのだろうか。

鉄剤のせいか、ちょっと金属の味がする。

 

希望が通り、明日退院できることになった。何ごともなくて良かったと言えるが、これなら入院しないでも何とかなったのでは、ならなかったのかしらなぁといつまでも未練がましく考えながら、7万円の保証金を払う。

 

この間様々な看護師さんが行き交い全然覚えられなかった。2夜連続夜当番で来た人だけ認識できたが、この人はずっと夜勤なんだろうかと心配になってしまう。患者さんに対する態度が様々なのと、みんなどうやら20歳そこそこらしいのが興味深かった。

 

夕食もおいしくいただいて、ちょっと胸焼けがする。点滴が外れて自由に寝られる喜びを感じつつ、ばつんと電気が消されたのに合わせて布団をかぶる。

夜中、隣のテレビが急についてビビった。