仮面福祉会

できることを切り売りしています

夢で稼ぎ続ける根性

家を出ると、服の隙間を冷たい空気が通り抜ける。そうだった寒いってこんな感じだった。寒暖への感覚を、少し離れただけで綺麗に忘れてしまうことに毎度驚く。

昨日の処方箋を薬局で出すと、3週間分の薬が出された。昨日なけなしの問診で2週と3週どちらにするかと訊かれ、2週と答えた記憶があるのだが、と薬剤師さんに伝えてどうしようもないので、だったら訊くなやと思いつつ諦めて受け取った。ますます信用のならない医者である。

 

値上がりとの攻防を続けている美容院に久しぶりに行く。午前の予約であったが、美容師さんたちは既に忙しそうにしており、土曜の朝から活気がすごい。どういう予約の入れ方なのかわからないが、担当さんが私の他に少なくとも2人の施術を同時に進めているらしく、邪魔をして申し訳ないような気持ちになる。

ただ視界を良好にしたいという欲求しかなかった結果、よりマッシュになって店を出た。

 

移動して、リンゴのかき氷を食べてうまいが寒い。

 

元上司の募集に応え、考古学会の講演を平成館に聞きに行った。初めて入る講堂は大変良い施設であった。席は想像に違わず、シルバーの男性が多くを占めていて、休憩時間には珍しく男子トイレに行列ができていた。

話は、奈良の古墳から最近出土した、類を見ない鏡と剣についてで、どうやら界隈ではめちゃめちゃに熱いテーマのよう。私には知識が全然ないが、千年以上前の痕跡に、過去生きていた人を見出すのはぐっとくるし、古墳は純粋にでかくておもしろいから好きだ。今回はそれに加えて、考古学でごはんを食べている人、という存在そのものが浮世離れしていて興味深かった。本当かどうかわからない過去のことを、こうだった、と断言してよいラインとダメなラインのギリギリさがわからず、変にひやひやする。仮説を信じ調べ、これが私の考えです、と堂々と打ち出す気持ちの強さがすごいと思う。

 

終わり、日も明るいが少しだけ、と元上司と飲み屋に入る。端から見たらどんな組み合わせに見ているのだろうと一瞬思う。お腹が減らないしお酒も弱々なので、ある意味遠慮なく、ノンアルビール一杯とキクラゲと餃子だけ頼んで、相手が緑茶ハイを飲むのを眺めていた。

仕事の話を少ししたが、定年退職後の再雇用の立場の人なので、もうあんまり言ってもどうにもならないんだよな、と思い出してからは、その気もなくなりただ気楽に話した。今度、今の部長を飲みに誘ってちゃんと話を聴いてもらおう。

 

家に帰ると誰もいない。9時を回ってから母がバタバタと帰ってきた。乗るバスを間違えて営業所に着き、バスで戻り、また乗って来たのだという。バスじゃ向かいのホームで戻れないもんな。