仮面福祉会

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執念の干潟

鼻がぐずぐずの朝。いよいよ風邪かと自分の中身に問いかけるも、家を出る頃には多少マシになっているから不思議だ。緊張感なのか。なら鼻だけずっと緊張していてほしい。

 

出張先に直行する。1時間に一本のバスに乗り30分近く早く着くか、電車で行って30分歩くかの選択で、面倒になってバスに乗った。バスは環状線をつまりながら走っていく。何となくバスというのはせいぜいニ車線の道を行くイメージがあり、立体交差するような、車メインの道に入るとそわそわする。原チャで高速に迷い込んでしまったようだ。

終点近くなると、役所と会社のあるエリアで、スクランブル交差点ぐらい大量の社会人が、同じ方向に向かって歩いていくのに遭遇して圧巻だ。自分は約束の時間まで商店街をブラブラし、目についたコンビニ全部に寄る。龍角散のど飴で、微妙な鼻咽をどうにかする。

 

出張先では建設的な話を聴けて良かった。

 

昼は久しぶりに31を食べようと気持ち万端で立ち寄るが、狙いのアイスが全然なくてしょんぼりして止めた。飲食店に入ったのに止める振る舞いをするとき、我ながら強いなと思う。それだけ食べ物への執念が深いのである。

そういえば昨日業者に怒っていたら、上司に執念深いねと言われた。あれは暗に諌められていたのだろうか。わからないが、たまに忘れるぐらいの執念が完遂するまで長く長く続く自覚はある。干潟か。

 

夕飯の食卓にムサカが上った。ギリシャ料理のあれだ。母の、新しいメニューに取り組み続ける姿勢には本当に頭が下がる。昔から様々な料理をしていたのかもしれないが、実はあまり覚えていない。目の前で起こるひとつひとつのことに対して、大人になってからの方が解像度が高い。昔は毎日起こること以外に気を費やすことがたくさんあったからだろう。