仮面福祉会

できることを切り売りしています

ときめかない奇跡

多くの家と同じように、昨日、今季初めてガスストーブを点けた。掛け布団を羽毛のにして、果たして朝はどれほど寒かろうと心配したが、さほどではなかった。それよりも、起きた瞬間平日か休日かわからず考え込んだ。

しかしそれなりに冷えるので、ストーブの前で末端を温める。

出張の予定があるのでそこそこちゃんとした服装で、しかし暑くも寒くもないもの、という課題が難し過ぎてクローゼットの前でひとしきり悩み着たり脱いだりしていたら家を出る時間になり慌てた。シャツを出したまま、コートの裏地はとめないまま、ベルトの端は収めないまま、ギリオッケーの装備で家を出た。パーツが揃ってれば後でもなんとかなる。

 

前月を締めねばならないが数字が合わずうんうん唸る。言っているうちに外出の時間になってしまい、何もかも投げうって出かけたら事務所にスマホを忘れた。今日はそういう日か。

 

同業者の所へ行き、あれこれ話を聞く。辛かった、大変だったことを話す人々は大抵笑っている。何てことないように振る舞わなくて良い時にまで、虚勢を張ってしまうのは何故なのだろう。笑い飛ばせるぐらいには余裕がある、というのは事実だろうけど、その結果大変さが正しく測れなくなるのは良くない。メンバーが変わったら同じのようにはできない、とも言っていて、事実だろうが、そんな奇跡みたいなことに頼って仕事を進めるのは心許なすぎる。

 

日も暮れたが、投げうってきたことを回収に事務所に戻る。

数字が合わない理由がどこかのコンビニ店員さんのせいという、黄砂が舞うみたいなどうしょうもなさに頭を抱えつつ原因がわかったので何とか終結した。絶対に交わることのないどこかの誰かよ、次は気を付けてくれ。