仮面福祉会

できることを切り売りしています

どんどんがらがらと叫ぶ人

祖父の妹が亡くなったというので、両親が葬儀に参列する。その車に便乗して、祖母の家に行くことにした。

祖父の妹は100歳であった。眼科医で、本当かわからないが、つい先日まで診察に出ていたという。そういうスーパーな人が時々いるので、今90歳を少し出たところの祖母は、比較していちいち落ち込む。

 

葬儀が午前で、自ず私も昼前に祖母宅に着くことになった。何かお昼を買っていくよと約束したものの、土地勘のないところで、昼を買える店が全然わからない。そして私はそもそも食事を選ぶのが苦手だ。肉屋でビーフシチューを買って行ったら、何かお弁当的なものを買ってくると思っていたと言われた。そうですよね。

そういえば敬老の日で、冷蔵庫を開けると自治会からもらったという、文明堂のカステラがバーンと一本入っていた。わかるけど、独居老人に与えるには中々ハードなお祝い品だな。

 

また来るよと告げて家を後にし、文楽を見に行く。いつか一度と思っていたのが、国立劇場が建替わるというので、今になった。

当たり前だが人形は喋らないうえに、歌舞伎であるような効果音もない。代わりに太夫が、情景からト書きから台詞まで自在に唄い続ける。三味線もたくさんいて、全体的に音の迫力がすごい。最後の方はずっと太夫を見ていた。舞台上に現れる人間が全て裏方だというのが面白い。演劇よりも人形劇が先にあったというのも不思議だし、独特の文化だなとしみじみ感じた。

隣に座る人たちがどうやら、人形遣いをやっているらしい会話をしていた。なるほどそういう界隈があるのか。

 

明け方のラグビーのために目覚ましを設定する。見たくないが、見ないで結果を知るのはもっと嫌だ。