仮面福祉会

できることを切り売りしています

夏の始まり

近所に最近建った一軒家に、新しいファミリーが入った。駐車場にでかくて黒いミニバンがとまっており、頭が少しはみ出ている。この辺りは一方通行祭りの住宅街だが、収まりきらないアイデンティティを感じる。

 

コンビニで食物繊維をうたうサイダーを買って出勤。甘かろうとは予想していたが甘く、3分の1ぐらい飲んで水で薄めた。ダメそうだとわかりながら堪えられない興味がまだ、私にはある。

 

送られてきた書類を捌き、お便りの返事をたくさん書く日。

相談事が書かれていたので良かれと思って電話をしたら、お前に書いた手紙じゃない!と怒られたりする。貴方にとって良いことをお伝えしたいのに、親の心子知らずの近似値かな。反響のパターンが豊富で今日も多様性を学んでいる。

 

帰りがけ、ちらほら祭り仕様の人を見かける。それらがどこに吸い込まれていくのか、働いている歴は長いが生活の場所としての情報を全然知らない。

最寄りの駅から家へ向かう間、バーンと火薬の音がした。花火か。とすぐに想像できるのは、近所の中学校で花火をあげると聞いていたからで、地元のことは知っている。花火でなければ事件だ。

学校に近付くにつれ、バーンと破裂音の後に、歓声のようなものも聞こえてくる。

会場の一直線上に来たところで、ぱっと光が開くのが見えた。