仮面福祉会

できることを切り売りしています

慣れ親しまない余談はわからない

打ち合わせで毎回たくさんの荷物を託されるので、翌日の出勤はリュックが四角くなって重い。

そのリュックを前に抱えて久しぶり電車の連結部近くに立つと、相変わらず風が当たりまくって寒い。リュックの内側に腕を隠した。

 

中途半端に休んだせいか、一週間が長い。昼休みに入れたインスタントコーヒーに、考えなしに手元の水を追加したらまずくなって驚いた。レモンフレーバーだったのを忘れていた。

 

午後、大学の先生が来て打ち合わせ。もうすっかり進めていることに対して注文をつけられ、急に頑なな心になる。結果、我ながら物言いが全体的にきつくなってしまった。こういうところが、婚活で断られる原因なんだろう。と、仕事中なのに余計なことを想起する。

幸い打ち合わせは業務時間内に終わった。自席に戻ると隣のブロックで、先輩職員が今年入った職員にこんこんと説明をしている。その話、打ち合わせに入る前からしてなかったか。司馬遼太郎で言うところの「余談だが」で情報過多にしがちな職員なので、新人さんは混乱するばかりである。フォローしとかないといけない。

 

日曜に祖母宅へ行くかと思い立って、帰る道すがら電話をした。声は変わらず元気そうで良かった。

と思いつつ話していると、視線の先で何か体の長い生き物が連なって歩いていくのが見えた。自宅へ向かうのに伴い近付くが、道沿いの家の植え込みの前に留まり動かないのが三匹いる。ハクビシンである。そこそこ大きいが、植え込みの段を越えられずモゾモゾしている様子を見るに、おそらく子どもだろう。そして塀の上からそれを見下ろすもう一匹がいる。写真を撮りたいが祖母との電話が終わっていない。終わらないうちに何だかんだ乗り越えて塀の向こうに消えてしまった。

正直かわいくなくはないが、それ以上に厄介という認識が強くてどん引きしてしまう。野生の動物とは、一線を画して生きていきたい。