仮面福祉会

できることを切り売りしています

お決まりが決まり過ぎ

平成中村座の一部を見に浅草へ。多くの店が開く前だが、それでもそこそこ人が集まっている。

今回は平場の席。お尻が痛いし荷物の置き場がないのでけして快適な席ではないが、小屋で舞台を見上げる雰囲気がとてもよく他に変えがた。

演目は浄瑠璃と黙阿弥。どちらも歌舞伎らしいと言って良い意味ではない、話としてはわけがわからない。ただ役者の魅力を引き出すのによい形がたくさんある。勘九郎がどちらもあまり見ないタイプの、性根悪い役をやっていたので見甲斐があった。

古典や世話物は同じ演目を繰り返し様々なところでやるので、順列組合に感じられてそろそろ飽きがきている。新作じゃないけど滅多に見ないような演目をやってほしいな。

 

場内で食べるのを禁じられているので、お腹を減らして劇場を出る。ひとりであれば甘いもので満たすが、母と一緒でそうもいかない。かといって浅草のごはん処など知らんのであり、こういう時の味方であるデパートのレストラン街でとろろご飯を食べた。

人と外食することが減り過ぎて、自分から提供する話題の乏しさを反芻し過ぎて、親にすら話すことが思い当たらなくなっている。今見てきた演目のことをぼつぼつ話すが、だいたい母の喋るのをただ聞いていた。

 

地下鉄の途中で別れ、中途半端な時間に悩んだ末、職場へ行き、まとめかけていたデータをちょっとだけ見直す。帰宅しようとしたら辺りが真っ暗で、部屋の外の電気をつけていなかったので、一人でだんまりみたいになった。

 

NHKでサイトウキネンをやっていたのでぼんやり見る。小澤さんが車椅子に座っている様子にハッとしてしまう。この間のドリフの人が亡くなったニュースに、へぇ、としか思わなかったが、もし、と考えてようやく、ショックを受けた人々はのことが想像できる。

でも多分私はこのホールにいたらすぐに寝てしまうでしょう。