仮面福祉会

できることを切り売りしています

てらいのない享受

いつの間にかリビングにガスファンヒーターが出されているのに気付いたが、チューブがガス栓につながっていない。もちろんそれぐらいのことはできるが、家族の総意でないんだろうとそのままにしておく。

この間テレビの中の人が、初めて一人暮らしになった時に、部屋が片付かないし洗濯物がたまるので不思議だったと言っていた。そんなてらいのなさがあろうかと驚いたが、なるほどとも思う。普段、出て戻る間に家が汚れていて臍を噛んでいることばかり意識されるが、恩恵に預かっているほうは当たり前のように受け入れて気付かないものだ。

ガス栓につないでおいたって多分気付かれない。

 

後輩がデスクに座る横から、服の収まりが悪く背中と下着がチラ見えしているのに気付いてしまう。いつもおしゃれな人なので珍しい。疲れているのだろうか。

仕事が空いてきてぼんやりしがちだが、上司の戻りを待ち夜が更ける。忙しさを分け合えず申し訳ない。

 

ここ3ヶ月ほど取り組んできた婚活が帰結した。もうずっと、手を変え品を変え足かけで数えると、10年近く婚活をしている。しかし未だ熟さず、ダメになってから、後でああすれば良かったのかも、と何となく察するのを繰り返している。学習してないわけじゃないから、今度こそいけると思ったんだけどな。

10年やっても実にならないなんて、才能がないとしか思えない。他のことだったらとっくに諦めているし、実際諦めようと思っている。ただその先に見えるのがあまりに深い闇なので恐ろしくて、別に、諦めると決めなくても良いかと、その淵でぼやぼやしている。

生きることに才能がないからといって、やめられないじゃないか。