仮面福祉会

できることを切り売りしています

肚芸ください

誰が見ても夏物のシャツワンピがある。しかも、職場では憚られる柄とデザインのもので、短い夏の休みの日、数少ないチャンスを捉えて着ている。今日がその日だ。

 

夜の予定に合わせて久しぶりに献血献血ルームは大変な賑わいで、予約をしたが押せ押せになる。結局待ち合わせギリギリになってしまい、水分をとってゆっくりお休みくださいの常識をぶっ飛ばして退席する。スタッフさんが気を使ってパック飲料2つとあれこれお土産をくれた。すまんのう。2時間はみないとダメなんだな。

 

夜は、初めて四季の舞台に行く。演目は映画も見たことがない、バケモノの子。

ミュージカルを見て流石に何で歌うのかよとは思わないが、芝居がかった、と例えられるような芝居を本当にするのでびっくりしてしまった。全員歌がうまくて、踊れて、きびきび動いて表情豊かで、情報量が多くて溺れた。そして、ディズニーランドみたいだな、というバカみたいな感想に落ち着く。

あとは作品によるのだろうけど、わかりやすさしかなかった。ライバル関係にある奴など、絶対裏で悪いことしてると思ったのに善玉で終わり、主役を導く鬱陶しい女がおり、なるほどそういうやつか、と学んだ。熊が最後の姿になったときは声を出して笑ったが、周りを見たところ笑うところではなかったらしい。連れていってくれた人もシンプルに感動していたようで、何てピュアなんだろうとそのことに感動してしまうよ私は。

しかし、わかりやすい、お約束という点では歌舞伎に勝るものはないのに、どうして私は古典歌舞伎の荒唐無稽は嫌じゃないんだろう。昔の話だと思うだけでそんな違うものかな。

良かったね!と言われると、そうだね、としかいえない。この感じが嫌で、私の趣味に人を付き合わせる気になれないのだ。いや、素晴らしいエンタメだったのは間違いないので、また行ってもよいとは思っているのだ。誘われれば。

ところで全体的に、運営の厳格なことを感じた。公演前、公演中子どもが泣いたら他の客の迷惑だから外に出ろ、とアナウンスがあったし、足を踏み入れれば客も一蓮托生という文化なんだな…。