仮面福祉会

できることを切り売りしています

同じ列車に乗っているのに気付かない

すっかり暖かくなってしまった。春が嫌すぎる…とぼやいていたら、隣の派遣さんに、何でですか春が1番いいじゃないですかーと笑われた。これぞ台本のようなやり取りだが、意外に感じている私は、言っても実はみんな春嫌いでしょうと、思っていたんだな。

ところでメンタル系の症状はかつての神憑りから歴史を経て、いまや治療すべきものになったが、頭や心が「おかしい」という感覚から中々脱することができない。治療というとどうも薬とか物理的なもの以外イメージしにくので、療法が絡む類いは病気としてどうも落ちにくいように思う。考え方の偏向と病気の境目はあるんだろうか、とか考えるが、前者もそれが故に社会で生きられなければ病気だし、病気云々ともかく、より良く生きるためにも治療対象になる、ということなんだろう。

と、10年来ほうぼうでトラブルのもととなっていると評判の人と電話で話していて考えていた。おかしな人、で片付けたくないが、当てられた衝撃でせめて、春だな…ぐらいの逃げ場は欲しくなる。ここに至るこの人の歴史を知りたい気持ちがあるが、まずまともに話せる気がしない。袋小路である。

退職と採用の内示がある。定年以外の退職者が複数いるとは聞いていたが、蓋を開けてみたらみんな健康上の理由で辞める人だった。この職場に見切りをつける若者がおるのだと思い込んでいたので正直、安心してしまってこの気持ちは何だろう後ろめたい。

それとは別に、今日が最終日ですという有期雇用職員さんがぼちぼち出始める。年度末の恒例行事ではあるが、毎年受け入れては送り出すことの徒労感は積み重なるばかりである。

置いて行かれたくない、取り残されたくない、逃げ遅れたくない。

震災から11年。いつでもあの暗くて辛い日々を思い出せる。今があの時より良くなっているだろうかと考えると、肯定はできない。良い悪いというか、道筋が変わってパラレルワールドにいる感じがする。