仮面福祉会

できることを切り売りしています

肉を切らせて骨を断て

朝起きると何だかもう耳鳴りが良くなっている気がする。すると現金なもので、病院に行かなくても良かったのではと、もったいながる気持ちが生まれる。行かなかった場合の今日を知らないので、ほとほと意味のないことだとわかっているが性である。

ちゅーるみたいなパッケージに入ったシロップの薬があり、これが独特なので、リンゴジュースなどと一緒に飲んでも良いですよと薬局で言われた。変に具体的だが、リンゴジュースが家に常備されている家がそうあるとも思えない。つまり、薬を飲むために売れていくリンゴジュースがあるということで、リンゴには思いがけない末路である。

いっぽう私はシロップの味が全然嫌ではないので、むしろ他の錠剤と粉薬をシロップで飲み、薬で完結する効率のよさを喜んでいる。ところで粉薬というのは改めて苦いものだな。ダイレクトに、本来毒です!と訴えてくる。

 

仕事を始めてみると結局よく聞こえない。集中しないと聞き取れないボリュームがあり、そうか職場ではみんな抑えめに喋っているんだなと気付く。無意識の所作だ。

余計に疲れるからか少しふわふわした感じがあり眠くて、暇だし帰って寝たい。

 

しかし夜、人の家に行く約束があった。

他人のテリトリーに入ることにとても緊張するので、シミュレーションなどしながら気が気でなく駅で待っていたが何と、駅を間違えて降りていた。

走った。

走りながらリュックの口が開いていて鍵を落としたのを拾い弾みで下着のホックが外れもう止めようかなと思うが頑張った。

メンタルがめためたの状態で夕食をごちそうになりすっかりもてなされ立つ瀬のなさにうち震え挙動不審になった。何もかもがダメである。上手にお呼ばれできる人にご教授願いたい。切実に。

 

目の前を歩く人が、背中にでかいナイキのマークがあるアウターを着ていて、ばっさりやられているな、と思った。