仮面福祉会

できることを切り売りしています

迫りくる禅問答とモノローグ

朝から老人保健施設老健)。最近高齢分野では特別養護老人ホーム(特養)にばかり行っていたので、老健に入所しているみなさんは元気そうに見える。変な話だ。
ひと仕事終えたつもりがまだ9時過ぎであった。1日長い。またどう考えてもやることがないターンに入ってしまい、調べものなどをする。

1時間早退して歌舞伎座の第三部に行く。初めて見る雪之丞変化。一部で七之助の政岡を見た後に、玉三郎の政岡から始まるのがまず面白い。
おそらくもとの作りは劇中劇やメタ部分など大衆エンタメが売りの演目なんではないかと思うが、玉三郎補綴と演出により、「役者・女形の哀しみ」みたいなことが主軸になっていた。迫りくる玉三郎好みとモノローグ。
映像を色んな表現として使うなど演出も趣向を凝らしていて、面白いなと思うものもあれば、くさいなだせぇなというものもある。正直、ここまでやるなら勘三郎さんが串田さんとやってたみたいに、歌舞伎以外の演出家と一緒にやってもらいたい。個人の感想です。
演出上、ずっと客席も舞台上も暗いかったところに、最後バーンと明かりがついて、眩しすぎて新しい地獄かと思った。

とはいえ、歌舞伎役者役の七之助女形のしゅっとした男として出てきたのが大変よかったので満足である。
戯れとはいえ、玉三郎の相手役で立役をやっている様子など、普通の演目では見られないから楽しすぎて小躍りする。特に助六七之助助六。見たい。見た過ぎる。あれだ、勘九郎七之助とっかえでやってくんないかな。勘九郎の揚巻が無理か。
あと、八ツ橋の次郎左衛門とか鰯売りとか、勘三郎さんが玉三郎とやっていた役を七之助がなぞるとか、泣くに決まってるわそんなもん。ねらわれたとおり正しく泣く。

来月の四谷怪談が楽しみだなぁと、えびす顔の心持ちで帰る。

いつも幕間に買いに行っていた、歌舞伎座隣りのサブウェイが閉店していて地味にショックを受けている。今後私はどこで何を食べたらいいんだ。というかそのせいで今、お腹が減っている。