仮面福祉会

できることを切り売りしています

歓も送もしないで飯を食う

傘をさすほどではない霧雨。

ひとりの職員さんが、朝いちテーブルを除菌シートで拭く習慣があるらしい。自分が先に着いた場合、代わりにやっておくのも、何もしないのも迷惑な気がしてどうしようと悩んであわあわする。その人より後に着くように調整するか。

 

午前は、まだ行っていない拠点を自転車で巡る。雨は止んだが空気が冷たく、電動自転車がありがたいが体は冷えるばかりだ。わかっていたから、支給されたジャンパーの下にキルティングのライナーを仕込み、手袋をするが、厳しい。

最後の方は普通に疲れて、元々キレの悪い質問が輪をかけてぐだぐだになる。

しかし昼にはしっかりかき氷を食べた。

 

午後は引き継ぎのため、もとの担当へ。

異動してきた後輩にあれこれ説明するが、さっきまでいた所と話題の接点がまるでない。必要な情報の種類が違い過ぎる。そんな内容全てを今日だけで伝えられるわけがなく、後々が心配でとにかくいつでも電話をくれと全員に伝える。

加えて、引き継いだことを失敗してしまったのですと聞かされ、それの後処理をしていたらどんどん時間が過ぎていく。

生きているな。

 

一方その頃、組織全体の歓送迎会が始まっていた。かなりの巻きで終わらせたが残り1時間もないところで駆けつけることになり、全員並んだ料理を平らげることに専念する。歓も送も立ち会わなかったから、新人さんを認知できる日は何年後になることか。

サークル紹介で壇上に引っ張り上げられたのち、なぜか単独でも壇上に呼び出され、出向どうですか、と訪ねられる。いやまだ5日しか行ってないから。何の罰ゲームか知らんが、やたらと顔が割れてしまい組織での自分の立ち位置迷子だ。こういうことがあった後、もっと話しようがあったと反省するから私は真面目である。

 

二次会組のテンションを横目に、かつて自分がOJTをやった後輩と帰路につく。引っ越したんだよと告げると、おめでたい話ですか?と訊かれ、久しぶりにそういうこと言われたな!と嬉しくなってしまった。下世話な話に飢えるほど、人間関係を慎重にやっているらしい。