仮面福祉会

できることを切り売りしています

物理の力

家を出ると雨が降っている。傘をさすのは久しぶりで、温かい気温が不安を煽る。

電車の、立つ前の席が、二度も空いたので大人しく座る。ぼんやりして、電車が止まったのに気付くと液晶画面を見る。それがたまたまいつも外国語表記で、ぱっと見の字面で判断していたら乗り過ごした。重ね重ね、着いたときのアナウンスも車内でしてくれないか。

戻り、職場の駅に着いて、出口に向かって歩いているうちに次の電車が来た。

 

朝ごはんとして、柳月から取り寄せたバスクチーズケーキ(トカチックバスチー)を食べ終わる。1か月が経ち、冷蔵庫がないルーティンで慣れつつある。

 

朝いち派遣さんから電話があり、母の通院付き添いで休みますとのこと。派遣さんは比較的当日欠勤が多いし、理由は大抵、家の事情だ。そういうことだからこそ選んだ働き方なんだろう。自分も将来同じ様な理由で、今のように働けなくなる日が来るのかな。

 

発送しなければならない通知があり、目前のことに集中してリストを作り差し込み印刷を始めたら、コピー用紙を一束使っても終わらない。データの物理的な量の感覚が抜け落ちているから、いざ出現すると恐れ慄いてしまう。

送れば封筒が減り、発注しないとなくなる。

 

昼に降っていた雨は、帰る頃には止んでいた。気温は相変わらず生ぬるく、もっさりとしている。寒い思いをしたくないあまりにエアコンをつけるが、設定を下げてもほとんど稼働せず、いらんのじゃないかねと言われている気がする。

 

イヤーパッドがボロボロになり、もうダメかと投げうっていたヘッドホンについてある日、パッドだけ変えられるのでは?と気が付いた。

そうして注文したどこの馬の骨とも知らないパッドが届いたので、さっそく取り外し付けると何だこんなことかと、あまりに単純な仕組みで呆気にとられた。これで捨てられたらヘッドホンも浮かばれなかったろう。よしよし、と撫でてから充電した。