仮面福祉会

できることを切り売りしています

異常な愛

観念して、この間買ったスラックスのタグを切った。姿見を一生懸命見ても仕方がないし、自分に対するしっくりこなさを他人が感じることはまずないだろう。

柿がやたらめったら安いからと最近母がよく買い求めてくる。それで朝、好き放題に柿と、バナナとさつまいもを食べていて、猿と同じだな、と思っている。

 

電車は今日も遅れ。

仕事を片付け、午後から出張。バスに乗り降り立つと一昔前の団地の商店街で、一瞬羨んだが店舗はほとんど空であった。

相手方の席に組織の偉い人が座りまず牽制されたのでどうなることかと身構えたが、どこかで腑に落ちた瞬間があったらしく、急に前向きになり良かった。このように出方を探るのは居合いのようで嫌いではないが、実は存在しない対立構造を仮想されて始まることが多いので、ムダ、とも感じる。

 

建物を出ると既に暗く、バスに揺られ直帰を決め込んだが、実は家が近くて7時前に帰宅してしまった。何をすれば良いのかと戸惑うが事務的なことをやっていると夢のように時間は消費される。

 

夜のNHK正岡子規のことをやっていたので見る。正岡子規と、漱石と鴎外と、比べられがちだがみんな好きだ。全体的に、やいやい文句を言いながら我が道を切り開いてゆく感じがいい。多分、次世代にありがちな自己陶酔がないところが好きなんだと思う。

正岡子規なんて、すなわち病気ぐらいに認識されているのに、それに伴う哀しみが全然感じられず、やることの徹底ぶりがただの天才で清々しくなんなら笑えてしまう。そういうことを聞くとはなしの母にこんこん訴えながら番組を見ていた。

あと、佐藤二郎の俳句が本当に下手で良かった。