仮面福祉会

できることを切り売りしています

わびさびを覆う祝祭

涼しい。外で仕事をしたいぐらいである。

事務所の窓を開けて外気を取り込もうとするも、風が強くて閉まってしまう。エアコンをつけねばならず悔しい。

 

月末になり、業者にお願いしている電話がわんわん鳴っている。5コール待ってダメなら出ると決めているが、5数えてる時点で気が逸れていて他のことがはかどらない。うっかりすると別の職員が取ってくれるが、その分通常業務の電話が取れない。そのうえ結局質問が回ってくるので、自分でとったほうが精神安定上良い。ちょっとイライラして当たるようなことをしてしまい大変反省しています。この世で一番無意味なことのひとつ、反省を。

 

雨が降ったりして、すっかり秋の様相である。

帰り道を歩いていると、りんりんと秋の虫の音がする。思い返せば蝉の鳴き声を聞いた間の少なかったことだが、みな表に出ることはできたんだろうか。暑すぎて、幼虫のまま生涯を終えたものも多かったのではなかろうか。りんりん聞こえるなか、高齢の親子が、いちにいちにと掛け声をかけながら歩く練習をしている横を通り過ぎた。もの悲しくて寂しくて冷たく静かでやすらかだ。

いっぽう、近所の、セルフイルミネーションをやりがちな家が、数日前から光り始めた。まさか、と近寄ると、まさか、ハロウィンである。いや、うすうす気付いていたのだ。成城石井にハロウィンの菓子がもうあるな、と。

情緒がはちゃめちゃである。

 

NHK映像の世紀を見る。悲惨な話が主ではあったが、私も母も昔の映像を見るのが好きなので、大正昭和の人たちの出で立ちとか、子どもの様子とか、生活の断片を興味深く見た。これらが今と地続きで、我々はまるで未来に生きているとよくわかる。

その間父は部屋に戻っていて、どうやら、辛気くさい過去の話が嫌なほうなんだなと最近わかってきた。邪魔をしてすまない。