仮面福祉会

できることを切り売りしています

あ、そう、を思い出した

5時代に物音で目が覚める。父がゴルフに行く日だっだろうか。迷ったが二度寝し、6時頃また目覚めて起きる。降りてみると特段、人が何かしていた気配はない。

え、なんだったの。

ドアの鍵はいつも通りのかたちになっているし、泥棒だったとしても全然わからないのを良いことに、気付かなかったことにした。

 

適当な時間に出て乗った電車はまぁまぁ混んでいる。連休がフェードアウトしてゆく。職場では休んでいる人がぽつぽつおり、かといってさほど忙しくもなく、何か見落としてるのではないか。一般の人との電話を後ろに聞くに、イラついている相手が多いようである。本格的に五月病の季節だ。出入りの業者さんの中に明らかな若者新人さんがおり、何か用があるといつも先輩を後ろに伴って現れる。その囁き女将(どこまで知られてるのかわからないが、そういう人がいたのだ)みたいな様子が嫌で、つい冷たく当たってしまうのだが、五月、私のせいでドロップアウトしてしまうかもしれない。そしたら多分私は笑ってしまうでしょう。

関係機関から届いた郵便を仕分けていたら、兄の勤める会社のロゴが入ったクリアファイルを見付けた。行政の客が多いとは聞いているので、どこかから流れてきたのだろう。下流の石を見るような心持ちである。私も行政機関に出入りすることがごくたまにあるので、いつか出張でかち合ったりしたら面白いのになと妄想している。

 

両親と冷戦になっていた原因を片付けたことを伝えた。実際には私が主体的にしたことではないので、片付いた、というほうが適切だが、自分の意思であるということにしておいた。何か言ってくるだろうかと身構えていたが、なにもなかった。これで彼らは今日から安心して生きていけるんだろうか。私にとって、この世で一番互いの理解が浅く、意思疏通ができない知り合いは両親であると思う。過ごす時間が短いのに、血縁という事実に胡座をかき努力を怠ってきた結果だ。

空白の時間ができてしまったので、どのように埋めようか再び悩み始める。