仮面福祉会

できることを切り売りしています

怒りや恨みややけくそがある

お手本のように鈍色曇天である。

青いレインコートに黄色いニット帽の人が横切ったので一瞬、美輪明宏かと思った。

ひと月半ぶりぐらいでおばあさんにお会いする。心なしボヤボヤしているようだが、一見変わりなさそうでひとまず良かった。入院をきっかけに認知症になり転がるようにというパターンはとても多いので、できなくなったことに反応するのではなく、できることをできなくならないように騙し騙しやっていくのが大事。

 

雨が降ってきたなか、ガツガツ歩いて渋谷に向かう。相変わらずちゃんと若者が溢れかえっていてすごい。

 

何年かぶりのコクーン歌舞伎。10年前に見た演目の再演で、良かった記憶があったので楽しみにしていた。それでまぁ、よかった。画として美しい、というのと、鳴り物にトランペットを選択したのがとにかく発明である。

しかし気になるのが、この人たちはいつまで串田さんとやるんだろうということだ。親世代が新しいことやろうぜと始めたことがもう全然新しくないのは明白だし、客層は入れ替わらず歳をとり、古典歌舞伎とは違うけど定番マンネリ化しているように感じる。それはもう、当初の狙いとは全然違ってしまってるのではなかろうか。

というのもあるが、コクーンに限ったことでなく、客を呼べる劇団、脚本、演出の、次世代は出てきてるのかしら。その界隈に全く疎いからわからないが、舞台というコンテンツそのものが、2.5次元やアイドルものを別にしたら、昭和生まれ向なんでは、と思うと、ちょっとゾッとする。

 

帰り、公園とはとても呼べないような宮下公園に寄った。すごい立体の作りに興奮するが、あらゆるもののぶち壊しぶりが渋谷は突出していて怖い。これがつまり、ウェイ系である。