仮面福祉会

できることを切り売りしています

赤ちゃんがいてどうしよう

可燃ゴミの朝は、最後にクイックルを一周走らせてからゴミをまとめることにしている。狭い家は管理が楽なのがいい。

そうこうしているうちに時間が経ち、家を出たら雨で、昨日買った豆乳とヨーグルトが重く、電車がギリギリになり、降り口から一番遠い車両に滑り込むことになった。

 

降りる駅はホームが長い。

途中、別の降り口エレベーターに臨む人々の集まりにせき止められ、先に進めなくなる。そこを抜けると、乗るために向こうから人々がやってくる。

駅はすぐにゲームみたいになる。

 

ぼちぼち仕事。同僚たちが、アルガードの話をしている。アルガードは炭のにおいがする。と、私は知っているが、花粉症は今のところ回避している。

 

昼休みを過ごしていると、会議室に人が集っているのに気付いた。気付いてただ通り過ぎたが、上司が、育休中の職員が子連れで来ているのだよと教えてくれた。

この職場は、赤ちゃんを見せる風習がある。

子どもを持ったことがないからわからないが、やっぱり、かわいくてかわいくてみんなに見てもらいたいものなのだろうか。赤ちゃんを囲む人々の雰囲気がどうも苦手で、加わってもどんな顔をしていいかわからないし(綾波みたいなことを言ってしまった)、大抵は忙しいふりをしてやり過ごすことにしている。

しかし今回はトウキョウラスクを配られてしまったので、流石に無視できない。慌てて駆けつけると、赤ちゃんと母がいた。挨拶をして、遠巻きに赤ちゃんを眺めた。

子どもが口蓋裂と心臓病を抱えているそうで、復帰の如何も定かでないと聞いている。こういうとき、辞めるのは母なんだよな。形成された心がある。

 

母子はその後は何時間か会議室にいて、パーテーションを隔てた向こうで会議を始めた我々の耳に、赤ちゃんの声が入ってくる。

なんかこう、そわそわする。いいんだろうか。という気持ちだが、この職場に母子を咎める者はいないのを私は知っている。では私が咎めたいのか。いや、何なら赤子を背負って仕事をしてもいいのにねと思っている。思っているんだよ。

 

事務所を出ると寒い。しかしどうしても欲が収まらず、夜かき氷にしてしまう。

冷え冷えで帰り、コーヒーを飲み、排水ネットを捨て忘れたのに気付いた。