仮面福祉会

できることを切り売りしています

丁寧に自信を潰しながら生きる

近所の、かつて居酒屋だった店が長い時間かけて塗り替えられている。気付くと建物ひとつ上までしっかりオレンジ色で、足元50センチぐらいのモルタル部分から緑になっている。ミックスベジタブルもしくは、ミカン…と思いながら通りすぎる。それで結局何の店になるのかはまださっぱりわからない。

 

電車内の映像などを見て常々、手を振る、とは一体何なんだろうなと思っている。何かしらに寄せられたコメント映像で手を振り、お店紹介の店員たちは手を振り、舞台挨拶の集合写真で静止画を意識しつつ手を振り。

そもそもは恐らく、自分の存在を示すためにする行為だろう。発展して相手に対して見えてますよ、の合図のためにするのが、アイドル。どこから来たのかわからないが、別れのお手振りは挨拶としてまだよい。それ以外はもう、手持ち無沙汰なだけだろう。ああそうか、むしろその、手持ち無沙汰感を想起するから、お手振りを気持ち悪く感じるのか。

 

仕事、久しぶりに人に送金する任務があり、何度見ても金額が間違っている気がして地獄。送金システムにファイルをあげるも、ダメだダメだと言われメンタルが削られていく。たかだか80万ちょっとのために…と思っている自分が恐ろしい。いや一時期100億とか送金してたから。

結局漏れがあって月曜に追加で送る。

疲れきった頭で担当打ち合わせに入る。新しい業務スキームを考えねばならないようだが全然頭が働かない。特段の名案もないまま、来月引っ越す先の座席表に議題が移る。誰の隣は嫌だとか堂々と宣言して酷い。

 

外国からの観光客相手に着物を着せるバイトをしてきた母にあれこれ話を聴く。日給7000円というのが妥当なのかわからないが、成人式の着付けはもっと安いのだと言うのだから、そのうちやる人がいなくなるでしょう。

そのイベントでは他にお茶や書道なんかもできるそうで、おもむろに、私が書道を教える気はないのか探られる。そうだ私は、仕事以外の人と交流する術として、お習字を利用したいとかねがね考えているのだ。それこそ外国の人とかいいよな。本当に体験したいのか甚だ疑問だが。

日々をこなすことばかりでそういうことをうっかり忘れてしまう。