仮面福祉会

できることを切り売りしています

役割を演じる

明け方、家が揺れて目が覚めた。大きくならないか緊張してうかがい、どうやらおさまったので見た時計が示すのは5時過ぎ。再び布団の中に身をしまい直しながら、311のことを思い出す。あの日からその後の怖さは、普段しまっているがいつでも取り出すことができる。

 

いい天気で出かけ、かき氷を食べる。店頭で待つグループがどうやら外国の人で、階下にトランクが並べて置かれていた。かき氷が観光資源化しているのを察して、もう夏は無理だなと見限る準備をしている。

 

人をラグビーに誘ったので、準備を万端にするため秩父宮に向かう。人気チーム同士のため混雑を見込んではいたが、開場前に現地に着くと列ができていて、こんなん初めて見たぞと驚いた。多分来た人全員が驚いていた。自由席のレッドオーシャンぶりを予想して、ゴール裏にしておいたのは正解であった。良さそうな席を確保し、Surfaceを開き時間を待ちCMの様のようだなと思う。

ゴール裏は初めて座るが、右左に振られずに済むのは快適で、今日のように暖かい日には日陰でちょうど良かった。目の前で繰り広げられるライン際のせめぎ合いに見応えがあるし、音や声もよく聞こえる。が、攻め込まれるのがどちらかによりずっと遠くになってしまう運は否めない。

面白い試合であったが、人と行くと、楽しんでもらえているかと気が気でない。

 

夜、車に乗りお台場のホテルへ向かう。我々家族は1月から誕生月が続くため、祝いにかこつけて食事へ行こうという算段。

親戚でたびたび行っていた中華料理店がなくなりガッカリしていたところ、その姉妹店だというところを執念深く見付け出し訪れた。そっくりそのままとはいかなかったがよく似ていて、邂逅しながらあれこれ少しずついただいた。変化が激しいのが東京らしさではあるが、思い出のある場所が残っているのは豊かでありがたいことだ。あと、それ以前に高級中華のクオリティが、すごい。いいものを食べてしまった。

 

帰りの車で、弟から母に電話がかかってきた。間の悪いことに、昨日まで彼らは新婚旅行でいなかったのだ。電話口で母が、亡くなった友達の通夜葬儀、香典がどうと畳みかけているのを聞き、酷なことをするなと思う。現実的なことを話して気をまぎらわせるぐらい、弟に寄り添えない心持ちなのだろうが。

 

首都高の難しさと怖さに震えながら、東京タワーやレインボーブリッジにやいやい言い、お上りさんをやりながら帰った。