仮面福祉会

できることを切り売りしています

八勝七敗で平熱の愛

施設に行く日。職員さんがみんな素敵な人たちすぎてほくほくする。声高らかにメッセージを出すわけではないが、ひとつひとつの行動や発言から愛情を感じる。
せめて福祉の分野に立つ者には、堂々と臆面なく理想を掲げられる環境が確保されてほしいと思っている。キレイごとだとか無理だとか言ってつぶされてしまったらこの世は終わる。
そういう思考パターンにはまりきってしまったからか、自分自身にとっての理想の生き方が思い描けないとか、仕事での金銭面以外の目的がないとかいう気持ちがわからなくなっている。そんなことで生きる気になれるのがすごいと思う。

高齢施設の職員さんから、手紙 親愛なる子どもたちへ、という詩を紹介される。同僚はこの詩を読み聞きすると泣けて仕方がないと言っていたが、私はこの方向性で感情に訴えるのは呪いっぽくて嫌だ。
高齢になることによって生じる色々な不具合について、直接否定したり怒ったりするなとは言えるけど、負の感情を持つなとは言えないといつも思っている。腹が立ったり受け入れたくなかったりする自分の気持ちも認知したうえで、互いにとって最善の方法を考える、というのでないと、対人支援は続かないと思う。まして親子血縁関係者なんだから全面的に受け入れるべきだという考えは、根拠が情でしかなくて呪いで乱暴で酷過ぎる。
と、その詩について考えるのはおそらく穿った見かたで、介護を道徳で解決しようとする考えにむっとしがちな自分の琴線に触れたというだけのことなのだけども。

今日会った職員さんからは愛情を感じたけども、無理を感じない平熱の愛で本当にすばらしかった。一方通行の献身ではなくて、未来を目指して互いに頑張ろうという態度。思わず愛愛と大安売りして言ってしまう。だって愛としか言いようがなかったから。