仮面福祉会

できることを切り売りしています

存在理由が攻撃

友達と約束をして、横須賀へ向かう。

品川で京急線を待っていると、体感的に、ホームにはキャリーケースを持った人のほうが多い。様々な種類の電車が来るので、自分が乗る電車の種類を見極め(快特快特…?)、キャリーケースの皆さんとは違うレーンに立つ。

しばらく待つと、そろそろ着きますとかかったアナウンスが2ドアだという。足元を見ると、2ドアは止まらないとこがわかる。あらあらと思いつつ移動するとそこは、追加料金が必要な車両だと書いてある。

罠が多い。

我々は本当に、ハイレベルな日常生活を送っている。

 

横浜駅で落ち合い、横須賀中央で降り、フェリー乗り場へ向かう。北九州行きの看板が出ているのを見て、ここから北九州まで船で行けるのかすごいねと言い合っていたら、全然人気のないところに出てしまった。いやいや北九州には行かないからと戻る。

目的地はすぐそこの無人島である猿島

島に向かう船から富士山が見えてわいわい言う。富士山は、いつも乗る電車から見えるぐらいでそう珍しくもないのに、見えたらいつも、見えたな、と思う。家の側で見るより大きく、それでもまだ先の方にあるのだから、めちゃめちゃでかいんだよね、と、今更なことを友達と言い合う。

船は新しくて快適だったがすぐに着いてしまう。

 

猿島は、島そのものを城のように、力技で切り開いてあった。岩を掘り進めた人々に、お疲れ様という気持ちになる。朽ちているところと新しいところの差が大きい。お金の使い方が明確だ。

小さな島で、隈なく歩いて1時間ほどで帰りの船に乗る。

 

ドブ板通りまでブラブラ歩く途中に米軍の敷地を横切る。入口に長い銃を持った人が立っていて、うわ、と思う。現実に見る本物の武器は、認知の問題だろうが、ひやっとして重く感じて恐ろしい。それぐらい縁遠いものであって幸せだ。

軍港めぐり船に多くの人が乗り込むのが遠くに見える。その先にはアメリカと自衛隊の軍艦がたくさん停泊していて、かっこよくはあるが、灰色の景色が不穏で怖いほうが勝つ。

バラの植わる公園と、透明でクラゲがたくさん浮かぶ海の綺麗さと、戦争の匂いのギャップにざわざわする。沖縄が最たるものだろうが、海にはそういうところがあって、強さの要因のひとつである。

久しぶりに食べたハンバーガーで、胃に肉の存在感がすごい。

 

帰りに寄った横浜が文字どおり人であふれかえっていて、なんだこりゃどういうことだと言いつつ、ここにいる全員がそう思ってるよねと笑った。クリスマスの威力がすごすぎる。