仮面福祉会

できることを切り売りしています

切り捨てる理由がほしい

家を、家を探すのか?疑問に思いながら内見に行く。どこでもいいという気持ちと、こんな箱みたいなところに住むのかという気持ちのせめぎ合い。東京で暮らそうと思ったら、給料がいくら上がっても安心できないな。

 

物件を探してもらっている間、また、隣のお客さんの身の上話がぎゃんぎゃん耳に入ってくる。高齢の女性で、大家さんに促されて何十年も同じところに住んでいるが、いよいよ古くなり過ぎたから、ということだった。そして探してもらうにあたり、遠慮の言葉が添えられはするものの、要求するところが多大で迫力がある。20代と思しきスタッフさんが、怯まず対応していて尊敬する。

一方の私はグズグズである。この先の人生を思い描けないから、どこでどのように生活するのがいいのか全然決められないのだった。

 

暗くなったから今日はおしまい。という気分であったが、時間はまだ夕方なので、図書館で仕事をする。ついでに本を物色するが、ちょうど良いものがわからず、井上靖訳の孔子を借りた。迷いが本として具現化された。

 

夜のスポーツニュースは大谷の話で目白押しである。この人の生活の全ては野球のためにあるのだろうが、野球がそれ程の価値を持つ感覚が全然理解できないから、我に返ると全部が幻のようだ。スポーツや芸術は、何の意味が?と思ったら終わりである。

いくら儲けてるとか名声とか評価とかではなく、一個のことに邁進すれば良いと、自他ともに認められているのが羨ましい。と、軽薄に考えてしまう。