仮面福祉会

できることを切り売りしています

不潔の二文字が片隅に控えている

今日からBSのチャンネルがひとつなくなった。朝見ていたから知っているが、タイムリープかと思われる再放送の嵐がカットされるということで真っ当であると思う。しかし私に無害なチャンネルが減ったのも事実だ。

12月の始まりを感じ取る。

バタバタと仕事を片付け、午後休に入る。この間の休みに計画していた映画のリスケだが、今日は映画の日だそうだ。こんなに12月1日を意識したのは初めてである。

 

まずユーロスペースでほかげを見る。戦争が終わったばかりの頃、そういうことはあったろうな、と思わせる内容で、表現が控えめなところが好みにあっている。見たかった森山未來は姿が良かったし、趣里さんは発声が印象的だった。

ただずっと、清拭や洗濯はどこでしているのだろうとか、何で全く家を出ないのだろうとか、まずは子どもの靴を買ってやれよとかいうことを考えていた。創作に対してそういう現実的な疑問を持つのは、多分見当違いなんだろう。

 

劇場を出て小走りに駅を駆け抜け、有楽町に向かい2本目は蟻の王。前半キャラクターが掴めず、この人らは何を話しているのかしらとぼんやりしてしまったが、裁判になってからは意識がはっきりして面白かった。はしょられてわからないと感じる点も多かったが、イタリアの背景を理解していないのでやむを得ないと思われる。普遍的でタイムリーでもある問題につながる内容で、難しいのう、と考え込んだ。

 

どちらも、あまり声の大きくない映画だった。いや、それが普通なんだが、映像コンテンツを見ていると多くの登場人物がよく、でかい声で主張する。

 

久しぶりに小規模な映画館に行ったが、予告もまた渋いものが続き色合いが違う。見ていて、恋愛ものらしき映画の断片に対して、気持ち悪いなとかばっちいなとしか思えないのに気付いた。かつてはそんなに気にならなかったのに、いつの間にか私は何かのラインを越えたようだ。