仮面福祉会

できることを切り売りしています

社会的な生き物になる

頭痛と吐き気にのたうちまわりながら寝て目が覚めると7時であった。眠りの質が最悪にも程がある。夜中に鎮痛剤を飲んだが多分無意味で、じんわりまだ頭が痛い。飲酒の頭痛はどうするのが正解なのかしら。何となくアミノ酸が必要な気がしたので甘酒を飲んだが迎え酒のようでおかしい。

 

ぼやぼやしていると、階下に人がどやどややってくる気配がした。今日ついに、風呂が設置されるのである。ここ数日解体されたままになっていた風呂場が、深淵のようにそこにあり少し恐ろしく遠巻きに眺めていた。

気付くと既に浴槽が運び込まれていて、どこから入ったのか、間口の広さが意外だ。

 

かき氷を食べ、図書館へ行き、本を読みながらリーグワン決勝のレフリーマイクを聞いてニヤニヤする。

それからボランティアで近所のおばあさんのところへ行き、エアコンのフィルターを掃除した。自分の家のことはとんとやる気がないのに、人の家でやる家事の手際が我ながら良くて謎である。久しぶりに労りの気分を感じ、社会的な生き物になった心持ちである。基本的に私は、ヘルパー的な存在として人と話すのが好きなのだろう。毎日の義務になるのは嫌だけど。

 

帰宅すると風呂場が出来上がっていた。作業をしていたのは実質ひとりだったはずだが、ものの数時間であの深淵がこうなるんだからプロはすごい。

当たり前だが全てがピカピカで、使って汚すのがもったいなくて震える。結果何となく湯船に浸からずに出てしまった。綺麗になったのは嬉しいが、新品を喜ぶよりも恐れる性分である。