仮面福祉会

できることを切り売りしています

期待値は高めにとっておくもの

朝ガスファンヒーターをつけると、気温表示が16℃を示した。罪悪感が呼び起こされ、消した。

 

年度終わりが近付き業務面談がある。社会人になってもう15年以上経つが、いまだに平社員のため評価基準が甘くて恥ずかしい。こういう時に思い浮かべるのはいつも高校の同級生たちのことで、比較して自身の矮小さを噛み締める。自己評価が低い、と上司に言われるが、全く逆で、自分はもっとやれるはずだと評価しているから、ダメだダメだと戒めているのだ。

 

帰りは冷たい風が強く吹いていた。

 

玄関先に、正月飾りがしまわれるのと同時に、雛人形が登場した。季節のものは大抵ギリギリに出され、終わって何ヵ月もそのままになっているのが普通と認知してきたので、このようにスケジュールにのっとって飾られているのが珍しく感じられる。

私の雛人形は早くに亡くなった祖父が買ってくれたものだと聞いている。祖父からもらったものといえばもうひとつ、寝かせると目を閉じる人形があり、衣服が自然傷んでいるのが恐ろしくてずっとしまってある。数少ない祖父の名残のため捨てるのも嫌で、長年の懸念事項になっている。生き物の形をしているものにはどうしても、自我を見出だしてしまう。