仮面福祉会

できることを切り売りしています

私だけがそのまま

旅に出るが飛行機が遅いので、ゆっくり起きる。というか、深夜に右往左往したのでもはや疲れている。

母は何かしらの行事で早々に出掛けていった。日帰りで米沢に行き芋煮会をしてくるらしい。ハードだな。

父と二人の朝、祖母のところへ行くと告げられる。一緒に行くかと打診されているのか暗黙を探るが、あちらもこちらの出方待ちと見える。そして父は、最近だいぶイカれてきてるらしい、と言った。耳を疑いすぎて、三秒ぐらい考えて、え、何が、と訊いた。

回答はわかっていたが、人間に対してそのような表現をする父に一気に温度が下がった。父の、祖母への態度はこれでも大分マシになったと知っているので看過してしまったが、いかに素直になれない相手にであっても酷い。その言い方はアウトだと、娘の口から言ってやるべきだったなと、後悔した。

旅の土産を持って、父のいないときに合いに行こう。

 

飛行機に乗るのが一億年ぶりの四、五年ぶりで気が気でない。しかし、空港に行く前に昨日買えなかったあれこれを調達できて幸先が良い。リュックを背負い街をうろうろする様が恥ずかしいが、空港に降り立つとマジョリティになるのが面白い。待合所に立つ、USBが差せるタワーみたいなものを見て時代を感じた。

飛行機は飛び、オレンジがかった富士山の影を横目で見、うとうとしていたらもう降りた。そうだ、飛行機は、とても速いんだった。

とはいえ到着すると真っ暗で心許ない。この環境で育ったら、東京はよほど落ち着かなかろうな。

コンビニでご飯を買って、ホテルで大河を見たがら食べる。鎌倉殿、久しぶりすぎて義時がどんなキャラになってるのかわからない。妻も変わっている。しかし、みんなすぐでかい声出すのは変わらない。

 

何もしていないが、余所者になっただけで大体の旅らしさは済んだと言える。

USBで充電できるところがなくて詰んだ。