仮面福祉会

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横殴りの霧雨

夜中の暴風雨の音にどうなることかと思ったが、起きると雨は止んでいた。金曜日に手抜かりがあったので1時間早く出かける。職場の最寄りに着いたらぼつぼつ雨が降り始めて免れて嬉しい。何せサンダルを履いてきたのだ。大学生の頃、雨の日にサンダルを履く人の短編ドラマを作った私であるが、積極的に足を濡らしに行くのは大人として普通にいただけない。

手抜かりを確認すると回避できていたので安心して雑務を片付けた。そのまま日中が過ぎてゆく。

 

強い雨になり窓に水が打ち付けられていた。台風が長く強くてすごい。

昼に外に出た派遣さんが帰ってくるなり、横殴りの霧雨よ、と言った。横殴りの霧雨。とても、とてもいいなと思い、かえすがえす噛み締めた。

 

休みのうちに毎回あれこれ反省するのに、誠実な仕事ができないままお腹が減り、節々が痛み、消化試合のように日々を過ごしてしまい落ち込む。気付いたら10月の予定まで日がなくて焦る。こうして無為に年を取ってゆくのだ私は、将来までちゃんと仕事にありつけるだろうか。

 

ぐったりした心持ちで職場を出ると、寒い。この瞬間に夏の暑さを思い出せなくなり寂しく感じたりして、人間は現金で便利だ。

久しぶりにちゃんと布団をかけて寝た。