起きて、また寝て、昼前に出かける。
祖母の家に行く前に、近所の蕎麦屋に行くことにした。近所といっても30分ぐらい歩く。暑くないと油断したが蒸してじわじわ熱が高まる。あまり行かないエリアに差し掛かり旅の趣さえあった。
お盆は過ぎたが夏の天ぷらがまだやっていて嬉しい。枝豆とカボチャはもちろんだが、ヤングコーンが甘くておいしかった。暑がっていたのに蕎麦湯をたっぷりいただいてしまう。祖母へのお土産き魚介の天ぷらを買った。大人のふるまいである。
祖父の家は遠い。電車で行くとそれがよくわかる。いくつも乗り継ぎそれこそ小旅行の心持ちだが、辿り着くのは普通の住宅街でおかしい。
祖母は背骨が曲がり、右に傾いてすっかり弱気だが、思考はしっかりしているし内科的には問題ないし、結局のところ元気だった。ただ、人に頼らないとできないことばかりでがっかりなのはわかるし、励ましてもしょうがなかろうなぁと、ただ愚痴を聞くに止まる。そう言えば昨日が祖父の命日なのだった。宗教がないのでただ写真が飾られているのを見て、そうだったなぁと思い出すぐらいのことしかない。多分それが、祖父の望むかたちなんだろう。