仮面福祉会

できることを切り売りしています

理想は無理でも掲げておくもの

遠くからパトカーが停まっているのが見えた。近寄るごとに警察がひとり、また一人と増え、パトロールかしら、から、事件かしら、に変化してゆく。

道を曲がると、車がマンションに突っ込んでいた。これが答えだ。

どこへ出しても恥ずかしくないほどの事故で、うおお、となる。マンションの塀が斜めになっており余程の勢いで突っ込んだんだろう。車は、バンパーがひしゃげているが運転席は無事のようで、エアーバッグが膨らんでいるのが見える。誰か大きなケガなどしていないと良いが。車を片付けるために、曲がったガードレールを外す作業がされ、警察はテープを張り通行人をそちらへ流していて私も流される。プロの手際の良さに、これぐらいの事故の日常ぶりを感じ取った。

 

10時までに印刷せねばならないものがあり、2000枚の紙を抱えて朝からせっせと出力をする。

他の職員に、分担して決まった役割に着いてもらう結果、それ以外の細々したことは都度自分がすることになり、これで金をもらっていいのか?という作業ばかりやっていることがある。ときどき面白半分に転職サイトを見たりすると、世の中の仕事のレベルの高さにショックを受けることが甚だしい。そうなりたい、とか、羨ましさではなく、ただ肩身が狭い。

 

帰路、傾いたマンションの塀が、きれいにブルーシートに包まれていた。事故があったことをもう忘れていた。

 

バタフライエフェクト第二次世界大戦の映像を見る。日本が異常なのは事実だが、こうまとめられるとアメリカだけ理性的なようでそこに違和感がある。人の暮らす町の上からバラバラと爆弾を落とすことを正当化する思考も十分異常だし、そうしながら捕虜に優しくするとか、精神のバランスどうなってんのかとゾッとする。今でもアメリカのニュースを見ると、おりおり同じようなそら恐ろしさを感じるので、たぶん地続きで本質なんだろうと思っている。

とにかく理屈でなく感情で戦争が嫌だ。憲法改正の必要性が理解できないが、必要だと思ったとしてもどうしたって戦争は永久に放棄してもらわないと、それを明示しておいてもらわないと嫌だ。現実に矛盾が生じててもいいじゃないかグレーなままで。

選挙結果で一番嫌なのはそこである。