仮面福祉会

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許せないものの正体は何だろう

川崎の事件があって、それに対する様々な記事が出るスピードが速くて驚く。ライターの皆さんの、自身の見解をまとめる瞬発力がすごくて新人類だなと思う。私はいつもあのように事件が起こると、予想される反響を想像して自分とのズレについて考え込んでしまう。しかし今回はその、素早く出た意見の中に、そうだそうだと思えるものもあったので少し安心した。

前に仕事で、低所得世帯に一時的に資金を貸すという制度に関わっていた。その制度の目的は色々あるのだけど、1つに犯罪を起こさせないというものがあった。お金がなくて強盗などをするのもそうだし、ヤミ金に手を出すなどして反社会的勢力に加担させるということも防がなければならない。

人を殺すなどの犯罪行為は絶対的に悪い。それは否定するところではない。犯罪被害に遭った本人と家族とその周りの人たちのことを考えたら、許せないと思うし本当に悲しい。

その一方でやはり、何故人を殺すに至ったのか、その道から救うことはできなかったのか、ということは、考えなくてはならない。突然の凶行から人を助けることは難しいが、そうさせない社会を作るということは、絶対できないことではない。

奇しくも最近、無職で家にいる、という事例について高校生に考えてもらったことがあったが、やっぱり世間も、もっとがんばれ、自己責任だろ、が多数派なのだろうか。そういう意見のほうが声が大きいだけかもしれない。
しかしこれは、どちらが正しいと意見を戦わせたり、特定の組織とか個人について怠慢だとか悪いとか責めたりしても不毛で、事実そういうことがある、と認めのが、唯一可能性がある道だと思う。

多分、言えないけど、気持ちがちょっとわかるかもしれないと思っている人は、たくさんいる。私は、他人事ではないなと思う方の人間だし、福祉をやる人間として、どうしたらいいか考えていて、とりあえず書いた。

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