改元やら即位やら連休やらでうかうかしているところ、五月の歌舞伎座が大変手堅いお祭りを始めていた。
團菊祭と銘打ってやっているのは毎年のことだが、團十郎(不在のため海老蔵)も菊五郎(と菊之助)もあまり興味がなくてお休み月とみなしている。しかし改めて見ると、勧進帳にめ組の喧嘩、道成寺に御所五郎蔵、加えて子どもの初舞台など、華やかでハズしにくいところを押さえてきており侮れない。別に侮ってはいない。
勧進帳は教科書などにも載っており何せ知名度が高い。更に今月は多分歌舞伎界で一番知名度が高い海老蔵がやる。そう考えると一度ぐらいは見ておいてもいいかしらと思うが、あれこそまさに何を言っているのかわからない演目だからな。にほんごであそぼで勘九郎が勧進帳をやっているが、これでようやくなるほどと思っているぐらいのものだ。初心に帰ってイヤホンガイドで学習するか。
まじまじとチラシを見てて思ったが、海老蔵は弁慶の出で立ちでも海老蔵そのものなのがすごいな。海老蔵の弁慶じゃなくて、弁慶の海老蔵だ。
この後の歌舞伎座は六月の三谷幸喜歌舞伎や七月の海老蔵独壇場など、中々攻めているものが続く。そこに中村屋の名前がない。心配だ。負けていられんぞと腕まくりをしそうになるが勝負事ではないし特にできることはないので落ち着きたい。