仮面福祉会

できることを切り売りしています

無理に話さなくていいんですよ

ジムで一緒に筋トレをしてくれる兄さんが、年末年始に何年振りかで実家に帰るのだという。家族団欒に慣れないから緊張すると言っていて、そういう家族事情もあるのだな。たまたま「上京」というイベントが発生しない人生なので、自ずと「実家に帰る」のイベント性も実感としてはわからず、文学だ。
長い付き合いになってきたせいかこの兄さんは、結構プライベートなことを話してくるので、なんか喋らせてるみたいで悪いなと思わないでもない。話したいならいいんだけど。

仕事が暇過ぎてデスクに座っていても眠いだけなので施設に出張する。求人に対してどうしたら応募が増えるかしらという悩みを聞く回。採用したい人のイメージも定まらないなか、ぱどに定型文載せておけば望ましい人が集まるだなんて、そんなおめでたい話があるわけないだろう。など、言いたいことは山ほどあったが、役割が違うので分を弁えて黙り悶々とする。

出張先で合流した業者のおじさんと一緒に電車に乗り、特に気を遣うべき相手でもないのでとりとめのない話をする。帰路の30分ないぐらいの時間でその人との家族構成とか職歴とか今後の展望とかを知り、なんか喋らせて悪かったなと思いつつ別れる。

事件だったらだいぶ自白させているところである。私は知らないうちに相手を追い詰めているのだろうか。