仮面福祉会

できることを切り売りしています

かほどに切実な「ようやく」

布団から全力で体を引き剥がす。暑い。
体重が戻らなくてしょぼしょぼする。

お昼前、ようやく自分の異動のことがオープンになる。かほどに「ようやく」の実感が強いことがこれまであったろうか。周りの反応にドキドキして手が震える。
正式な情報を見たのは初めてだったので、異動にしても何日付けということがわかっていなかった。見ると一週間後、水曜からとのこと。しかし私には特段引き継ぐべきことがない。ますますやることがなく飼い殺し、窓際族というワードが頭のなかを飛び交う。即ち死。
あまりに暇で、ボランティアとは、というテキストを読んでいた。ボランティアとは「自発」が語源だが、日本では成り行きでうっかり「慈善・奉仕」と曲解され今に至るんだよとのことで、今更だがなるほどようとなる。慈善・奉仕こそボランティアとされることは、大変にやっかいなことだ。

思えば昨年度まで、毎日毎日暇で暇でどうやって2年もこなせていたのだろう。何もしていないのにぐったりしてしまい自転車をこぐのすらしんどく家に帰りつくなり死人のポーズになった。

異動と時を同じくして少し離れた事務所に引っ越すことが決まったので、今のうちに近くの飲食店に行っておきましょうなと昼を食べに出る。みな普通に生活しているように見えるが、客足はやはり少ないままのようだ。電車の混みかたも以前とは違うし、ある一定新しい生活様式が定着している人がいるんだな。