仮面福祉会

できることを切り売りしています

非日常が終わる怖さ

渋々起き、したくをする。
今日は知らない人に会わねばならない。久しぶりに唯一持っているブランドもののバッグを出し、スカートをはき、セーターに繊維がつきまくっているのを取っていたらギリギリになってしまった。

予定の10分前には着くようにと言われていたので真面目に時間を厳守したが、相手は時間ピッタリぐらいに来てそんなものかと拍子抜けする。周りには同じような人しかおらず、こういう、思いがけない需要がメインになってしまうこと、あるな、と思う。

予定を済ませ解放感を得て献血に行くもまだヘモグロビンが足りない。屈辱的だ。申し訳なかったが鬼滅を最後まで読んで帰った。
鬼滅、各々背負ってる業が子供には理解しがたそうな気がするが、明解ではあるから少年向けといえるのかな。
鬼がいなくなって、鬼滅を生業にしていた皆さん再就職できたんだろうかと心配した。

夜は大変久しぶりに歌舞伎座へ。中村屋の追善を何としても見ねばならない。
緊張感が張り巡らされており知らないところに来たようであったが、客席が間引かれ見晴らしが良い。

前半はお涙頂戴系の浄瑠璃で苦手なやつ。あんな、さめざめ泣いてばかりいる母親と四六時中一緒にいる子供が気の毒で、健気さに心を打たれるどころではない。最終的に子供の前で自害するとかまじ最悪だ、最悪過ぎる。不憫がっている場合ではない。

それから勘九郎勘太郎の連獅子。子を持つ人が見たら泣くに決まっている。
勘九郎が本当に親獅子になったということにうっとなり、勘太郎がしっかりきちんと取り組んでいる様子に感動するのだ。子供に合わせて少し間引かれているところもありそうだが、ポテンシャルすげぇなぁと思うほうが強い。伸び代たくさんあって、楽しみが長く続くだろうと未来に希望があって嬉しい。

劇場内で飲食ができないので、みんな黙って粛々と帰って行った。風が冷たい。