仮面福祉会

できることを切り売りしています

制御できない最たるもの

出来心で若手俳優さんの深夜ラジオを聞いていた。10代の女の子たちのキラキラしたメールが次々と読まれ、同じ時間帯でも客層がこんなに違うもんなのかと衝撃を受ける。ただいずれにしてもラジオは、相手に受け入れられたいという聞き手の欲求が剥き出しになるところが他にない感じがする。私は世界のモブだという自覚があるのに、相手と直接リンクしているとうっかり勘違いしてしまって危ないし苦しい。
さらに途中で差し込まれる番宣CMが知らない日常でうなる。昼間聞いてちょっと笑ったりしながら仕事をする人々がいるのを、知っているがファンタジーのように思っている。ああでも前の職場で野球中継聞きながら仕事してたな私。

泥汚れにコーヒーの致命傷を受けクリーニングに出していたスニーカーを取りに行く。追加料金まで払ったのにビフォーコーヒー程度で全然綺麗になっていなくてつらい。この汚れ落ちないんですねと店員さんに言うと、そうですねーと言われる。そうですねーじゃねぇ。ただのバイトさんだとは存じ上げてますが吹っ飛べこの野郎と思う。せめて、プロががんばったけどダメでしたすみませんぐらいの弁明をしてほしい。
家に着くとドアが新しくなっていた。家がボロくなってきたので工事をしますというお知らせを受けてはいたが、知らないうちに誰かが住処を刷新していくの面白いな。

色々行事がなくなっているが踊りの発表は予定どおりということなので、部屋でもそもそ衣装作りをする。ついでにシャツのボタンが取れそうなのを付け直す。無心の時間のはずがずっと井口のことを考えていた。死ぬ。

今年90歳になる祖母がいるし古希の父もいるし高齢者の母もいるのに、自分がいつどうやって死んで、それまでどのように生きるんだろうかということばかり考えてしまう。近しい人が死ぬことを考えるのはつらく、自分のことのほうが他人事という感じがする。