仮面福祉会

できることを切り売りしています

ただ口を開けて待つ

仕事で自転車をこいだり人の家に上がったりするようになったから、ほとんどTシャツとチノパンにスニーカーというスタイルで日々を過ごしている。休日も適当な格好をしがちだったが、いかんいかんと気合を入れ、すっかりしまい込まれたままになっていたシャツワンピをひっぱりだした。当然シワシワになっていたのを、濡らし、脱水し、見た目にわからない程度に濡れたまま着て、家を出た。むしろひんやりしてちょうど良い。雑に生きてうまくいくことほど嬉しい。

比較的待ちが現実的な店に、午前からかき氷を食べに出かける。夏のかき氷に望みがないから、いっそバイトするかと、求人応募をした店である。それに対しては全く音沙汰がないが、かき氷はうまい。

それから好きなダンスカンパニーの公演を見に行く。これまでの公演でもこんなにゴリゴリに踊ってたかしらと思うほど踊りに踊っていて、柔道の延長戦を見ているような心持になる(この人たちのスタミナは無尽蔵なのかな)。
このカンパニーの何が好きなのかと言えば、まず明るい。コンテンポラリーダンスというとどうも、ぬるっとした抽象表現みたいなイメージがあるが、純粋な身体表現の印象が強いのが良い。パントマイムに近い。それに面白い発想と演出がついてきて、天才でなんである。
今回はいつも以上に、90分間ぎゅうぎゅうに詰め込まれ、頭がちょっと忙し過ぎたかもしれない。
いつかここの主宰が歌舞伎の演出をして、中村屋に踊らせるというのが私の夢である。現実感としては、夜見る夢に近い。

劇場を出ると一番暑い時間帯で、絶望的に暑い。お腹が減り、変な時間にモスの白いバーガーを食べに行く。ハンバーガー自体食べるのがいつぶりかという珍しさであったが、チーズがうまくて感動する。それが呼び水となり、だくだくのチーズが食べられる店を検索をして無為な時間を過ごす。

夜はゴルフを見る。ゴルフは、オリンピック競技の中で、最も人との対戦という色が薄く、静かなのではなかろうか。有名な選手も多く出ていて、普通のツアーを見ているのとほとんど変わらないテンションで眺めた。

暑いことと食べ物のこととオリンピックのことしか考えないで日々を消費している。