仮面福祉会

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三丁目の強すぎる夕日

朝が涼しい。と、感じる気温は多分25度はゆうに超えていようが、何ごとも数字は相対評価だ。年齢差のように。
とか言いながら、午後の最も日の高い時間に出かける予定があるので、完全に作業用の格好をして出勤する。

15時前、オレンジの日光に照らされつつ、地域の人と連れ立って自転車で出かける。
ペアの子が妊娠のためチャリを控えているから、バラバラで行動することが増えた。しかしまだまだ初期で非公開情報なので、地域の人に、〇〇さんどうしたのと訊かれると説明に窮する。窮しながら、核心に触れないが嘘ではない回答をする私は、かなり上手いと自負している。

じりじりと焼かれつつ、次の訪問先へ。
5月からたびたび訪れている、嵐が通り過ぎたみたいな家。ペアの子と現地で落ち合う。それから民生委員さんと待ち合わせをしていたが、約束の時間になっても姿が見えない。迷ったが、迎えに行こうとグーグルマップを見ると、家に続く道が途中で消えている。この辺りはそういうことがよく、ある。どこなんだとぐるぐる自転車で回りようやく、車の入れなそうな細い道の奥に、求めていた表札を見つけ出した。サザエさんの世界のような引き戸の家で、インターホンがなく、後付けのチャイムが門の中にある。門を開け、チャイムを押し、何となく憚られて一度門から出た。程なく奥さんが出てきてくれて、お父さーんと呼ぶ声のあとに、ランニング姿の民生委員さんが出てきた。ここは本当に令和の東京だろうか。暑過ぎて忘れちゃったよごめんごめんと言われながら、連れ立って戻る。
エアコンがない、というか、電気の契約がない3階の部屋に上がると、めちゃめちゃに暑い。ビニールハウスに入ったみたいな、太陽の力を最大限に活かされた熱があり、ちょっと立っているだけで汗が噴き出してくる。ほんの数分いるだけでどんどん削られていくが、民生委員さんが淡々と対応してくださるからありがたく、下がった頭が上がらない。
任務を終え、労い合い、解散した。

予約していたかき氷屋に、電車に乗って向かう。汗をかきすぎたから、憚られ、人の座っていない優先席にこっそりした心持ちで座る。

氷を待つ間、隣りの男女二人客が、氷の上部の一部分だけ食べた状態で、何かぼそぼそと話している。そして大胆に残したまま、店を出て行った。それを見た店員さんたちが、残し過ぎじゃない?と言い合っているのが聞こえる。確かにもったいないが、おいしくなくて残してるかもしれないから、店員さんがそんな風に言うのも正統ではなかろうな。とか、考えながら、残すなら俺にくれと思う。

帰宅して速やかに風呂に入り洗濯をした。こんなにドロドロに汗をかいて、1日1回の洗うぐらいで、自分はちゃんと綺麗になっているんだろうか。