仮面福祉会

できることを切り売りしています

神輿GO

区民健診のチケットが届いていた、胃がんハイリスク検査を受けに行く。区指定の内科で受付が塩対応なのにドキドキしたが、先生と看護師さんは優しくて安心した。
前職が病院秘書だった後輩から、高齢者の血液は見た目からぜんぜん違うと聞いて以来、採られる自分の血液をじっと見てしまう。見たからといって、いいのか悪いのかわかるデータは持ち合わせていないのに。

寝た子が起きた、ぶり返す蒸し暑さ。キャップをかぶり、サングラスをし、日焼け止めを塗りスポサンを履き、万全を期して外歩きに備えた。
仕事で会うあらゆる町会が、今週末の祭りで忙しいと言っていた、その実態を伺いに行く。どうやら各所に町会の根城があるらしいと、地図を睨みつつ歩くのはオリエンテーリングか宝探しのよう。

初めに見付けた提灯を縦横に掲げた一角に、馴染の顔があり、喜んで声をかけたらぽかんとされた。慌ててキャップを取り、名札を見せてアピールする。その甲斐あって、町会長さんに初めて挨拶ができ上々の滑り出し。

しかしそれ以降のポイントでは知っている顔がいなかったり、ドメスティック過ぎて中に飛び込むことを憚られたりして、成果が上がらずただただ暑い。
そのうち本丸である神社に辿り着いたが、そこはただテキ屋の集まりであった。

それとは別の神社でも祭りがあり、1駅ばかり歩いてその氏子たちを目指す。
途中で子どもが太鼓を叩く山車を見送りつつ、付き合いがあり事前情報もあった町会で、ようやく2度目のエイドを得た。お茶をいただきつつ、手伝いに来ていた人から、姑が認知症で困っているという話を聴く。日々忙しく日常をしている人に自分たちの存在は中々知られないから、甲斐があって良かった。

夜にイベントごとをやる町会もあり、ピラティスを挟んでから改めて見に行く。小学校でやる縁日に寄ると、知った顔も多く、初めましての要人に挨拶をするなどしてポイントを稼いだ。そこは繁華街から1本入っただけの道沿いで、遊びに来た若者や外国の人が、まさかこんな場所でと驚きながら縁日や盆踊りに加わっているのが良かった。

自身の地元にも神輿が通る時期があるが、どこの神社なのかも知らず、接点のないまま大人になった。それが今、全く縁のない土地で内部にまで踏み込んでいる。ひょんなこともあるものだ。
町会の役員さんはみんな、こういう行事ごとには人が集まるけれど、マンパワーが足りずいつまでできるか、と嘆いている。祭りに来る人が全員積極的にフリーライダーでいるつもりもないのでは、と思うから、客観的にはかなり余地がありそうだが、うまいやりようがないものかなと思いを馳せながら帰る。

すると最寄り駅前の神社も絶賛祭り中で盛り上がっていた。子どもたちはこぞって、浮き輪みたいな作りの剣を振り回している。ああいうものを欲しがる子ども性に応える、製品開発者の存在を尊敬する。