仮面福祉会

できることを切り売りしています

無駄と雑多は必要なもの

ほとんど毎日洗濯している気がするが、靴下がない。非力なフットカバーを足に引っかけ、雨が止むという予報を信じてスニーカーを履いて外に出る。
駅までの道でショートカットできるルートを知ってからそこを通っていたが、ぼんやりしていて、いつもと違う景色になっているのに気付いた。よりにもよって雨の日に遠回りで坂をのぼる。

予報どおり雨は程なく止んだ。午前中、住所を頼りに連れ立ってポスティングに行く。
薄々気付いていることだが、ペアの子はどうも、決まったルートを使うことに決めているらしく、同じ場所に行くのにも行きと帰りが違う道だったりする。ここからあそこに行くならこっちの方向では?と思われる時も、遠回りしてでもポイントを踏んでいく。その後ろをついていくと巻かれているのに近い感覚があり、なかなか位置関係が覚えられない。
その事情もあり、距離としては近いはずのあちこちを回って体力を使い果たした。ポスティングの意味よあってくれと祈る。

午後は一人で留守番。常駐先の職員さんたちが片付けをしながら、見付けてきた歌のシートを見て童謡を歌い出すので、何なんだこの職場は...となる。

定時で切り上げて楽器の練習に行くも、すぐに酸欠になりぐったりする。日によって違うのは、日中の疲れ方のせいにして良いものだろうか。

ところで昨日の歌舞伎。新作を楽しみにして行った。
七之助の良いところが発揮できる内容でそれは良かったし、わいわい楽しい雰囲気で万人受けしそうな内容であった。しかし、見てくれが良い超ダメ男と、それについ尽くしてしまう女たち、という構図そのものに、私はずっとイライラしてしまい、向いてない。最終的に改心して幸運もあって大団円。となるが、実際はそう簡単に改心しないものだ。騙されないぞという目で完全には楽しめなくてしょんぼりである。

初めて足を踏み入れた歌舞伎町タワーは、東急とわかる作りの狭いビルで、劇場がコンパクトなのは臨場感があって割と良い。入ってすぐのフードコードも、二次元の日本が再現されていて、利用しようとは思わないが雰囲気が面白かった。

だが、いくら再開発しようとしても、歌舞伎町である。
外に出れば謎のバリケードがされ、キャリーケースを持った若者たちがそこらじゅうの地べたに座り、明るいうちから不穏が飛び交い、物理的にも散らかっている。自身は今後もなるたけ関わらずに立ち入らずに生きていきたいが、こういう町は、あったほうがいいだろうとも思う。