仮面福祉会

できることを切り売りしています

思い浮かぶのは見送る自分

4月から通う出向先へ挨拶へ行く。いつもよりだいぶ遅い時間、いつもより混んでいる路線を試しに選んで乗り継いでみる。新宿の埼京線湘南新宿ラインが徹底的にわからない。これも慣れれば瞬時に出発ホームの判断がつくようになるんだろうか。

警戒して、予定より20分ぐらい早く着いてしまった。

 

組織の偉い人と待ち合わせていた。今年度から来て、いろいろやりたいこと満載やる気満々の人だ。昇任試験後にも呼び出されあれこれ講釈を賜ったが、こういう年長者に自分は気に入られがちなのを知っているので、イージーモードである。先輩の話は純粋に面白い。一度聞く分には。

 

出向は交換で、向こうからこちらに来る人を初めて知った。この4年ばかりやり取りをしてよく知っている、多分10歳は先輩だろう人だから全然、ぜんっぜん等価じゃなくていいのか、ビビる。

職員のみなさんが歓迎しようとしてくれているのはよくわかるが、配属先も告知され、不安が一気に膨らみ体中パンパンだ。

 

わーっとなって昼、かき氷屋に駆け込む。いや、わーっとならなくても行く。

 

午後は打ち合わせ。異動してくる後輩が同席しており、何がなんだか全然わかんないだろうに一生懸命メモを取っていて涙ぐましい。わからなくていいんだよ、と言いたい。

後輩は爪をきれいにして、いい匂いをまとっていた。気遣いができるし、人間のレベルが自分とは全然違う。私もネイルサロンに通おうかな。

 

打ち合わせを経て、いなくなる下準備でほうぼうの業者にメールを送る。何度メールしても電話してもなしのつぶてだった業者の担当が、休職になったと前担当からメールがくる。案の定過ぎてつまらない。

 

異動前最終日に飲みに行きましょうと、先輩後輩からありがたくも誘ってもらう。遠慮なく、私は羊肉が食べたいのですとリクエストした。横暴である。

 

帰宅しあれこれして布団に入ると、日中満載にした不安が存在感をあらわにしてくる。おそらく出向は2年間。過ごせば短いが、想像すると途方もない。その間に40歳を越え、この4年間やっていた仕事は走り続け遠くに行ってしまう。当たり前のことなのに、シミュレーションすると寂しい。

私はどうやって死ぬのかな、災害とか事故で死ぬのは嫌だな、と思いながら寝る。