仮面福祉会

できることを切り売りしています

最も饒舌なのは悪口

黒いデニムのモモの部分に目をやると、四角く薄く色が剥げている。ここは、サイズのシールが貼ってあった箇所ではないか。そんな、初めから約束された傷みがあるなんて、ダメじゃない、それはダメじゃないかしら。

 

ニュースサイトを見るとお葬式は一色で、そうか本当にやるのか。辺りがどのような騒ぎになろうかと案じていたが、取り立てて何もないので失念していた。いつもと違うとしたら、昼過ぎにバラバラとヘリコプターの音がうるさかったことぐらいである。

 

昼に電話があり、なりゆきで週末、近所で換気扇掃除をするボランティアを引き受けてしまう。はいはいと安請け合いしたが、掃除か…すごく汚かったらとても嫌だな。

介護の仕事をしていたことも少しはあるが、年々、人の作り出す汚さへのストレスが謎に強くなってゆくので、ヘルパーはもうできないかもしれない。今やるなら清掃が入ってる施設だな。なるほど、施設を選ぶ理由ってこういうとこにもあったんだな。盲点である。

 

夜の打ち合わせでつるつると思い付きをしゃべり、毎度のことながらよくもまぁこんなにも反射でしゃべれるものだと自分に引く。今のポジションは言いたいことが言えるし実現可能性も高く天国のようだから、離れるときを考えると恐ろしい。昨日の大学生の気持ちだ。

 

映画の券が余るので、両親に無理矢理ブレッドトレインを見に行ってもらうことになった。絶対文句満載で帰ってくるだろう申し訳なさに、せめて予約をしてさしあげる。見ると、席が2席しか埋まっておらず選び放題であった。さもありなんである。でも、見て悪口を言うのも映画の楽しみのうちじゃないだろうか。負け惜しみじゃなくて。ほんとに。