仮面福祉会

できることを切り売りしています

怖くて泣かない

新しい家に人が住み始めた。と、軒先に吊るされた干し網の存在で気付いた。新築の家に越してきてまずやることの1つがそれとは、他人の営みは意外だ。

緑のカーテンに覆われた家では、所々葉が朽ち隙間ができ始めている。見上げると黄色くなったゴーヤがぶら下がっていた。なるほどこのように秋を迎えてゆくのか。お掃除が大変そうだな。

 

仕事に対して全然やる気がないが、封筒が20万枚ばかり足りないとわかり物理の恐ろしさに頭がばーんとなる。慌てて見積りを取ると100万円近くなり、そりゃそうだが、ビビる。そこへきてのお葬式代16億超か…と余計なことを思い出した。せめて雇用を産み出してくれれば良いが、お葬式は全然なさそう。かえすがえすむだだ。

 

事務能力の低さをかみしめながら昼、かき氷を食べにゆく。とにかく小豆がうまいので満足。後ろの席の大学生2人が、食べ歩き番組並みに具体的なおいしさを言い合うので落ち着かない。感動を言い表してこそ食べにゆく楽しさなのだろうが、私はとてもさもしいので、うまいという気持ちすら独り占めしたいのだと思う。

 

何故大学生とわかるかといえば、来年からの就職が不安だと言うのが聞こえたからである。いわく、既に社会人の先輩みんなから、一度は泣いたと言っているらしい。それはまた殊勝な…と思ったが、違うな、私も泣いたことあるな。仕事は大人を泣かす程辛いことがたまにあるんだ。確かにそれ、怖いな。

でも実際、毎日働くのが怖いということはない。うまくいかないことが積み重なってどうしようもなくなりもうダメだとなることは、あるが、特定の何かを恐れるようなことはあんまりない。諦めて不感になっているのかもしれない。違う意味で怖いな。

他人の会話を聞きすぎている。

 

昨日優勝したヤクルトの村上のインタビューがとてもよかった。突出した人が話すことを聴くのは面白い。かのようなサッパリとした気性になりたいものである。

気分がドロとか言っている人間が何に憧れているのかよ。