仮面福祉会

できることを切り売りしています

そいつは可哀そう、だろうか

連休に恐れおののいていたが、単純に職場の人に会わなくて済むのが嬉しい。同僚のことが割と好きじゃないようだ。

昨日はいだてんを見て、円喬朝太ラインに泣いていた。金栗さんと田畑さんが主人公だとうたっているが、志ん生も主役なんじゃないかな。

朝太が文七元結をやっていたが、あの話は歌舞伎版を長兵衛を勘三郎さん、文七を勘九郎というので何度か見たことがある。

歌舞伎だと長兵衛が文七にお金を無理矢理渡して、「死んじゃいけねぇよ」と言いながら逃げるように去っていくのだけど、十七代目勘三郎のそれが骨身に染みている、というようなことを、息子の勘三郎さんが話していた。十七代目は妾の子どもで、身の上での苦労を身を持って感じられていた人だからということだったと思う。
確かに実感があるということは強いなと思うけど、それで良い結果を残せば残すほど後の世代が浮世離れしていって、段々実感を持つことが難しくなってくる、というのがままならない。実感があるから真に迫った演技ができるというのはある意味当然で、東京のお坊ちゃん育ちなのにお金がない江戸の左官職人とか、田舎から出てきた学生などになりきれる、ということのほうがすごいと思う。

ただいずれにしても、博打で借金して娘が身売りするような人情話は、個人的にはどうしようもなさばかり現実的に気になってしまって笑えも泣けもしないので残念だ。