仮面福祉会

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首実検が定番の世界

歌舞伎座でやっている盛綱陣屋に行ってきた。
勘太郎が1人で出ていて、小四郎という大事な役を仁左衛門さん相手にやるというので見ておかねばというわけだ。

盛綱陣屋については知った気でいたが、どうやら初めて見たらしい。熊谷陣屋と実盛物語と寺子屋とごっちゃになっていた。
盛綱陣屋は、多面性みたいなものが描かれてるのと、完璧な悪者が出てこないなというのが時代物にしては珍しい感じがして面白かった。どの登場人物の立場も実感としては理解できないし、ご多分に漏れずクライマックスまで忍耐を要するのだけど、一つ一つの所作でどういう心情なのか示されているのが、よくできてるなと思う。ただ、純粋に子どもが可哀そうで解釈に迷う。

勘太郎が松島屋のみなさんに囲まれていて、見ているこちらが心細かった。余所のおじいさんたちに教えてもらっているのだね。頑張ってるねという謎の親心になる。勘九郎七之助は同世代だから子役の時を知らないので、このような心持ちになるのは初めてで面白い。
そして仁左衛門はいつ何をやっていても間違いなくかっこいい。

時代物の衣装はいつもかっこいいなと思っているのだが、盛綱陣屋の和田兵衛は色はもちろん生地感がすごくて、初めに設定した人の正気を疑う。

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写真が小さくて伝わらないな。残念だ。

幸四郎の弁天小僧も見ようかと思っていたのだが、盛綱陣屋で集中力を使い果たした感があったのでやめた。弁天小僧と南郷力丸がはしゃいでるところだけ見られたらいいんだけど。