仮面福祉会

できることを切り売りしています

虚構ぐらいは思いどおりになってほしい

日常があまりにも思いどおりにならないので、展開が読めず、悪い結果になりそうなものを敬遠している。
スポーツなども、結果が良かったらしいものだけ後で見たりするし、本も同じものばかり繰り返し読んでいる。
結末を知っていると安心するし、知らなくても大体こうなるんだなとわかって、ちゃんとそうなると幸福を感じる。

もう随分歌舞伎を見ているので知っている話も増えたが、知らない話の時は筋書やチラシを読みながら見る。それは結末を知りたいんじゃなくて、単純に読まないとわからないから。
言葉がわからなくて難しいと言われがちの歌舞伎ですが、長い話の一場面だけやるようなことが多いから、言葉の問題以前に情報が不足し過ぎていてわかるわけがないのだ。
それを知らずに一部だけ見てわからないつまらないと思われると残念なので、筋が面白い演目を通しで上演するときにご招待したい。

歌舞伎には「お決まりの」という、やさしい世界がある。
好きな役者がやってほしい役をやって理想どおりの結末を迎えると、世界が救われたと思う。

展開が読めない話が好きだったり、絶対に結果を教えてくれるなというタイプの人にとっては、歌舞伎とか落語とか、決まりきった定番の話みたいなのは面白くないのかな。